こんにちは。
今回は、日本人で手製靴業界を見事に復興させた職人を紹介したいと思います。
その方は、「山口 千尋(やまぐち ちひろ)」さん。
衰退していく手製の靴業界に着目し、技術を積み重ね、そして着実に業界を押し上げている人物です。
とはいっても、手製、いわゆるハンドメードの靴・・・は敷居が高いと思います。
調べてみると、体験コースが定期的に開催されているとのことでした。
そこで、今回はこの手作りの靴作り体験コースについて紹介していきたいと思います。
靴作り体験コースをもつ学校は?どんな学校か?
日本の靴産業の中心、浅草にある手製靴メーカーの「ギルド・オブ・クラフツ;Guild of Crafts」社が運営する手製靴の学校です。
名前は、猿若町にあるということで、地名に由来した「サルワカ・フットウェア・カレッジ」と言います。
1998年イギリスのギルド・オブ・クラフツマンの称号を持つ、山口千尋さんが設立した学校です。
設立当時は、ギルド・ウェルテッド・フットウエア・カレッジという名称でしたが、2007年に名称を変更されて「サルワカ・フットウェア・カレッジ」となりました。
現時点で数百名の卒業生を出す職人学校。
業界からの信頼も厚く、熱意に燃える職人さんを送り出すとして有名な学校だそうです。
体験コースで何を学ぶのか?
「ハンドソーン・ウェルテッド製法の底付け」を短期間で学ぶ!という体験コースです。
靴のデザインは、ギルドのセミオーダーラインから選ぶことができます。
全6日間で靴を完成させ、靴を作り上げます。
もちろん出来上がった靴は、お持ち帰りできるそうです。
本科コース受講をお考えの方、初心者の方、お勤めの方におすすめの靴の底付け短期コースです。
体験コースはどこで・いつ開催されるか?
予約制ですが、毎週土曜日の10時からコース説明会が開かれているようです。
住所:東京都台東区浅草6-19-4ヤマヨシビル
電話:03-5824-3281
短期コースの開校は、年4~5回の開催を予定です。
各期間の日曜日(10:00~18:00)全6日間、6週間コースになります。
定員は4-6名のため、場合により短期コースは延期されることがあるそうです。
問い合わせてみてくださいね。
気になる学校の授業料は?
受講料は54000円、材料費が61560円で合計115560円です。
因みに材料費には、道具・木型のレンタル代が含まれています。
実際の体験コースの流れは?
短期コース |
テーマ |
内容 |
1日目 |
中底加工(穴あけ)、釣込み(片足) |
中底にすくい縫いをするためのガイドとなる穴をあけていきます。特殊なペンチ(ワニ)を使用して木型にアッパーを添わせます。 |
2日目 |
釣込み(片足)・糸加工、すくい縫い(片足) |
中底、ウェルト(細革)、アッパーを一針一針丁寧に縫い上げていきます。ハンドソーン・ウェルテッド製法のことです。 |
3日目 |
すくい縫い(片足)・はちまき、シャンク取り付け・コルク詰め |
スチール製のシャンク(芯材)をハンマーでたたいて取り付け、そこにコルクを敷きつめていきます。この後の出縫い(アウトステッチ)作業はギルドで機械にて行います。(本科では手作業です) |
4日目 |
コバ切り回し、加工・ヒール積み上げ1枚目 |
コバ(底面横部分)をヤスリで削り、サンドペーパーで仕上げます。水をつけてコテをあて、約5mmのヒール用の革を積んでいきます。 |
5日目 |
ヒール積み上げ2~3枚目・ヒール切り回し・化粧くぎ打ち |
トップヒールを積んだら全体を切りそろえます。ヤスリ、ガラス、サンドペーパーを丁寧にかけていきます。 |
6日目 |
ヒール加工、コテ当て・着色、底面仕上げ、アッパー仕上げ、終了式 |
全体に靴クリームを塗って、つま先とかかとにツヤを与えたらついに完成です。 |
最後に
いかがでしょうか。
一概にハンドメードといっても、色々な手工芸がありますが、今回は靴に着目しました。
興味はあるけど、転職までは思いきれない・・・
授業料が高いし、東京は遠い・・・
若い人の中に混じって勉強するのは不安・・・
など、学校に行くことはとても不安・緊張の連続だと思います。
しかし、このような体験コースを利用することは、実はとってもお得なのです。
なんといっても、自分が本当に興味があるかを見極め、作る喜び、難しさ、奥深さをしることができます。
そして、趣味の段階で留めておくべきか、究極の職人を目指して転職を目指し、学校の本コースに挑むかを推し量れるからです。
やはり、手に取って自分の目・手の感触、そこから受ける印象などを吟味し、講師や参加者と話してみる・・・
そういった、一歩進んだ参加型の体験コースに!一度問い合わせてみるのも・・・新しい自分を見つける第一歩かもしれませんね。
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