こんにちは。
東京都台東区の鳥越に、SyuRo(シュロ)という雑貨店があります。
広さは30坪ほどのお店で、店内は、シンプルにまとめられています。
さまざまな暮らしの道具が並びますが、華美な装飾や派手な色ではなく、木や金属といった素材の持ち味を生かしたデザインが中心です。
SyuRoで扱う商品は、代表の宇南山加子(うなやま・ますこ)さんが日本中、時には海外から集めてきたものだそうです。
産地を自ら訪れて仕入れる商品もあれば、産地と手を組み独自開発したオリジナル商品も並びます。
今回は、その素敵な女性、宇南山さんについて紹介したいと思います。
目次
宇南山加子さんの原点は?
父親はアクセサリー職人だったという宇南山さんは、小さな頃からモノ作りに触れ、興味を持っていました。
職人だった父親を亡くした時に
「後継者がいなければ技術は残らない」
「形にならなかったアイデアの数々が技術と共に消えていくもどかしさを感じた」
ということが、このデザイン会社「SyuRo」を立ち上げたきっかけだそうです。
宇南山加子さんのプロフィールは?
東京都台東区出身。
女子美術短期大学を卒業。
照明メーカーに勤めた後、フラワースタイリストのもとで4年間学びました。
2008年にデザイン会社SyuRoを立ち上げました。
代表であり、かつデザイナーとして活躍されています。
宇南山さんがコンセプトに持つ「こだわり」とは?
「世の中にありそうでなかったもの」を探し生み出す・・・こだわり
宇南山さんが扱っている雑貨たちは、一つずつがシンプルで輝いているものばかり。
それは、彼女のこだわりがあるからですね。
宇南山さんがいう、ありそうでなかったものとは・・・
「日常と非日常、男っぽさと女っぽさ、和と洋の間とか。
すでにもので溢れている中においても絶妙なバランスの商品が、人々に求められている」と考えているそうです。
見えないところにほど技を使う職人を大事にする・・・こだわり
「飾りたてずに見えないところに技を使う」のが、職人さんの腕の見せ所だという、江戸の文化に通じるこだわりを大事にしています。
コツコツと自分の作品を作り続ける職人さんのこだわりを、そばで一番に理解しているからこそ、こだわっているところだと思います。
日本の宝、職人技を残すため、提案していく環境づくりをする・・・こだわり
小さな工場が、丁寧なモノづくりを行い、何年もかけて磨き上げた、日本の職人技は一流です。
近代の流れで「安い、大量」といった生産性重視の波に押され、泣く泣く職を手放す方も多くなってきました。
「日本の宝とも呼べる職人技を、失ってはいけない」という思いから、SyuRoは、そうした職人技のもうひとつの活躍の場にしたい考えているそうです。
新しい素材と引き合わせてみることを提案したり、思わぬ生活雑貨として取り入れてみたり・・・と職人さんと試行錯誤しています。
アイディアを掛け算することで、製品の品質が高まるばかりでなく、職人技を、特別な工芸品としてだけでなくもっと身近なものにできれば、と考えているそうです。
また、職人を社員として雇うことで、安定した生活の中で技術を習得し、磨いてもらう環境を整えていきたいとも。
「少し無理してでも、手仕事の日用品を作りつないでいく」ということが、宇南山さんの父親のものづくりやスピリットに基づいており、自分を育ててくれた町そのものを受け継いでいくことになると考えている・・・と話しています。
最後に
いかがでしょうか。
実は、デザイン会社としてはじまった雑貨屋さんの「SyuRo」です。
ものづくりの町での出会いを大切に、そして失われつつある日本の伝統や職人の技術を、今の暮らしの道具に無理なく生かすことができるようにと、日常の雑貨を地元の職人さんと共にデザイン・生み出し続けています。
自己の経験・学びを活かし、そして次世代まで残したい日本の伝統技のために・・・
彼女、そして周りの支えと共に職人さんたちを守っていく、という考えはとても素晴らしいことだと思います。
心より、彼女の行動力、考えを応援しています。
今回の記事は日本の伝統職人の技を保護し、新しい形で提案している雑貨屋さんSyuRo代表の宇南山さんの紹介でした。
彼女のこだわりぬいた提案により、日本の誇るべき伝統技が最大限の魅力が引き出されていると思います。
こちらの記事では、その宇南山さんが共同制作してきたブリキ缶の伝統継承者、石川浩之さんについて話しています。
先代の急逝に伴い、伝統が消えそうになっていた所に立ちあがった若手職人さんです。
⇒ 石川浩之さん伝統職人技を継承へ!問題乗り越え、技を磨く角缶(ブリキ缶)界新鋭!
参考になる部分も多いと思うので、ぜひ一度目を通していただけると幸いです。
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