緑のある生活。
日本人は、昔より、自然の中で、自然の力を信じ、親しみ、共に共存してきました。
家の中、庭、街の中、周りを見渡すと緑や花にあふれています。
また、緑がないと・・・何か足りない気分になるのではないでしょうか。
皆さんは植物を採取する人、探索することを職業とする人、
「プラントハンター」を知っていますか?
名前から想像できる範囲であれば、私もなんとなくイメージができますが、
今回は、このプラントハンターという職業・職業人について
気になり調べたことを紹介したいと思います。
是非最後まで読んでいただければ幸いです。
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プラントハンターとは?
プラントハンター(英語;plant hunter)とは、
未知なる植物、食料・香料・薬・繊維等に利用される有用植物、
観賞用植物の新種を探し出し、持ち帰ることを目的に
世界中を探索する植物の専門家のこと
を指します。
プラントハンターがもっとも活躍したのは大航海時代以降で、
主に17世紀から20世紀中期にかけてヨーロッパ、
特にイギリスやオランダなどです。
当時は、食料、香料、薬、繊維などの分類学が発展するとともに、
「新世界」などで採取された珍しい花の種子や球根を園芸品種として育てる趣味が
盛んであったことより、多くのプラントハンターが活躍しました。
プラントハンターは国、貴族、園芸会社、キューガーデンなどの公的機関、
ヴィーチ商会などの民間企業などから
アメリカ大陸やアジア各地に派遣された、植物学や栽培法に詳しい人物であり、かつ、
赴任地で新たな有用植物や園芸品種を求めて植物採集を行い、
その場で繁殖や改良まで手がけることもあったそうです。
園芸文化が古くから発達していた中国や日本にも、
多数のプラントハンターが訪れました。
例えば・・・
19世紀初頭に来日したドイツ出身の医師P・F・B・シーボルトは、
日本で植物採集を行ったプラントハンターで、
ペリーが黒船で来日した際にも、プラントハンターが2名同船しており、
日本での植物採集を行ったといわれています。
また、19世紀半ばに来日したイギリス人植物学者
フォーチュンRobert Fortune(1812-1880)は、日本のキクやその改良品種を
ヨーロッパに伝えたことで知られています。
ヨーロッパの植物園には、イギリスのキュー王立植物園に代表されるように、
200年以上前にプラントハンターによって集められた植物種が
保存されている所もあります。
現代のプラントハンターは?
現在、プラント・ハンティングを職業とする人が小人数存在し、
その活動は二つに大別できます。
一つは、熱帯地域や未開地に分け入り、薬や食品、嗜好品などとして
利用できる希少な植物を採取するものです。
この場合、資源バンクとして種を保存し、現地で産業振興を図りながら、
繁殖や改良を試みるケースがみられます。
また、新薬や食品開発のための希少種の採取に関しては、
プラントハンターによる激しい争奪により貴重な生物資源が損なわれる
という問題が指摘されています。
もう一つは、かつてのプラントハンティングと同様に
植物を採取し、気候的に共通する地域に園芸品種として移植するものです。
今では、温室などを使った栽培方法が一般的に行われるようになったため、
園芸品種として栽培が可能であれば、
亜熱帯や熱帯の高山地帯などの極地に自生する野生種も、
庭園用や園芸作物の対象として採取されることもあります。
様々な技術の発達により、持ち込みが不可能だった海外の大きな樹木も
持ち運べるようにもなり、さらにプラントハンターの活躍の場が広がっています。
プラントハンターになるためには何が必要か?
プラントハンターは、植物が好きなこと、植物愛にあふれることはもちろん、
冒険・旅行が好きで行動力があり、
常に何か新しいことを求め続ける好奇心を持っていること、
チャレンジ精神が大切だと思います。
また、植物を求めて世界中を探し回るため、
情報収集力、交渉力、コミュニケーション能力、語学力が必要になると共に、
植物に関する知識も必要になるでしょう。
さらに、植物の輸出入に関する知識やその国の植物採取に関する法律についても
調べて、知っておく必要があります。
因みに、プラントハンターになるために必要な資格はないそうです。
専門職業として、プラントハンターをする人は少ないのが実情です。
多くの方が、造園業や植物を使ったイベントの企画・実施などを行い、
他の職業と兼任しています。
例えば、イベントの企画では、メインとなる植物を世界中から探し出し、
それを使ってイベントを作り上げていきます。
有名なプラントハンターになれば、
世界的な企業や地位のある顧客から依頼が入るため、収入も大きくなります。
顧客の希望通りの植物を探す、展示することは時に難しいため、
場合によっては世界中に探しに行く・・・そうです。
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最後に
いかがでしょうか。
プラントハンターとは、
植物学者でも、華道家でも、アーティストでも、輸入業者でもない・・・
にもかかわらず、広い分野において全ての知識を網羅しなければ成り立たない、
シビアな職業だということが今回わかりました。
アマゾンなどの未開の地に入っていき、珍しいものを発見して・・・なんて
時折耳にしますが、珍しいもの、貴重なもの、その地のその場にしかないものを
探し求めて危険を冒しながら植物を探すプラントハンター。
その情熱に敬意を払うと共に、今後の活躍、凄い情報に期待したいと思いました。
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