グリーフケアとは何か?グリーフの過程(時期)・症状は?故人を偲ぶ周囲の悲嘆

家族、身近なパートナーが亡くなることにより、

人は苦痛・悲壮感を強く感じます。

その反応は皆共通で、他の家族、親族、近所の方、地域など

色々な人がかかわって昔はその悲しみを乗り越えてきました。

 

最近は、核家族化が進み、都市部では特にご近所づきあいもほとんどない・・・

といっても過言ではありません。

 

そのような環境の中、

昔のように悲しみにくれる人を支える周囲の状況も変化し、

どうしても悲嘆・悲壮感の強い状況から一人で抜け出すことが難しい人たちが

取り残されることが多くなってきました。

 

その結果、孤独死・自殺などの最悪の結果が生じ、増加している傾向です。

 

今回は、あることをきっかけに知った、

「グリーフ」「グリーフ・ケア」という言葉についてまとめたいと思います。

 

この言葉の意味を理解し、過程・抜け出す方法を一緒に見ていくことで・・・

ひとりでも多くの方が、

悲嘆・苦しみに直面している周囲の人に目を向けるきっかけになれば・・・

と願っています。

最後まで読んでいただければ幸いです。

 

グリーフとは?グリーフケアとは?

まず、グリーフという言葉を説明します。

 

グリーフとは悲嘆、死別などによる深い悲しみ、苦悩、悲観をさす言葉

のことをいいます。

 

日常生活の中で起こる突然の喪失・離別・死などは心の準備ができず、

数々の苦しみ、悲しみ、喪失感を生じます。

そのような死別などをきっかけに、

周囲にいる家族やパートナーが受けるショックは計り知れません。

心や身体が不安定になり、

人生に対して前向きに生きることがとても困難な状態になります。

 

グリーフは、誰でも持つ「感情」です。

ただし、普通はその感情を段階によって受け入れ、遅かれ早かれ・・・

乗り超えることができるものなのです。

 

しかし、人によっては

グリーフから自力で抜け出せないレベルまで深い悲嘆に落ちこみ、

もがき苦しむことも少なくありません。

 

深い悲嘆は、他の悪い要素を引き込み悪循環を引き起こします。

 

そのような悲嘆の状態の方々に寄り添い、

徐々にその悲嘆の状況をケアし改善していくことを

グリーフケアといいます。

寄り添うだけでも・・・いいのです。

寄り添うことは、実はとても大変なことだからです。

 

そして可能ならば、適切な方法でグリーフ状況の人を引き上げていく、

新たな一歩としてグリーフを乗り越えられるよう手助けする!という、

とても大事なケアといっても過言ではありません。

 

グリーフを感じる4つの過程とは?

では、グリーフを感じる過程とは、どうなっているのでしょう。

 

実は、4つの過程があるといわれています。

深いグリーフを持つ方は、

「この過程を繰り返し、抜け出せないでいる」といわれています。

  1. ショック期 ;心の麻痺の段階
  2. 喪失期   ;切望と悲しみの段階
  3. 閉じこもり期;混乱と絶望の段階
  4. 再生    ;回復の段階

グリーフを感じる過程は、ショック期に始まり、喪失期が襲ってきます。

その後、周囲との関係を遮断してしまう閉じこもり期がくるのです。

 

この1~3を繰り返すことが、グリーフ期にあたります。

 

この過程を早く抜け出し、4の再生期にいたるか、

4に行けずに1~3をずっと繰り返すか・・・

これが違いになります。

 

私たち周囲の人間は、

この1~3を繰り返し苦しむグリーフ過程の人に寄り添い、

適切な方法で新たな一歩である4に迎えるよう

お手伝いをする必要があるのです。

 

グリーフケアが必要な症状とは?

単なる気の落ち込みとグリーフケアが必要となる症状との区別は

一概ではなく、難しいのが実情です。

 

しかし一般的に、

次の3つの症状があらわれた時にグリーフケアを受けたほうがよい・・・

といわれるため、その主な症状を紹介します。

感情(情動)的症状:激しい悲しみ、怒り、抑うつ、不安、無気力感、罪悪感、孤独感など

身体的症状    :睡眠障害、食欲減退、疲労感など

行動的症状    :混乱・動揺、集中力の低下、探索行動など

グリーフケアをせずに放置すると、

最悪の場合、うつ病性障害、外傷ストレス障害(PTSD)、不安障害などの

病気になる可能性もあるため要注意なのです。

 

最後に

いかがでしょうか。

 

グリーフ;悲嘆のことを少し詳しく話してきました。

皆が同じように感じる、喪失感や悲壮感ですが、

その過程をいかに抜け出し、前を向いて歩いて行けるか・・・

ということが大事なことだと学びました。

 

人により、グリーフの期間も症状も様々です。

 

見つけることも難しく、

さらにその後どうしてアプローチをしていいけばいいのか、

途方に暮れるでしょう。

ひとりでも多くのグリーフで悩んでいる方が、

ポジティブな再生・回復の過程に向かっていけることを、

心から願っています。

今回の記事はグリーフ・グリーフケアとは何か、プロセスと症状の紹介でした。

こちらの記事ではグリーフケア・アドバイサーについて話しています。

グリーフという闇から抜け出す一つの方法として

専門家を利用するとよいのですが、

自分が専門家になる!?ためにどうすればいいのか・・・

という詳細を紹介しています。

⇒ グリーフケア・アドバイザーとは?遺族に寄り添う資格、認定講座・期間・費用は?

 

こちらの記事では、グリーフケアの効果的な方法について紹介しています。

何気ないこと、そんなことだけで・・・と思うかもしれませんが、効果がある方法です。

⇒ グリーフケアの効果的な方法・内容は?悲嘆の過程にいる人を支える回復・再生!

 

参考になる部分も多いと思うので、ぜひ一度目を通していただけると幸いです。

2 Comments

マロン

LouLouさん、始めまして。何気なく「グリーフシェアー」をgoogleから検索したところ、貴方のサイトに出会いました。実は私は今グリーフシェアーを受けている者です。知人からBroadway 教会でグリーフシェアがあると紹介をされ、参加する事にしたのでした。やはり愛する伴侶を亡くすると残された者の心は安定を欠く事を象徴するのか、出席者は少なく安定はしていません。
LouLouさんは死別を体験された方でしょうか。死別を体験していない人は誰一人存在しないとは思いますが、伴侶との死別は又特別の意味を持つものだったと、私自身体験して始めて分かりました。
実は私もVancouverに住んでいます。

LouLou

こんにちは、マロンさん。
コメント、ありがとうございます。

伴侶の方をなくされたとのこと、心よりお悔やみ申し上げます。

私個人は、家族を亡くし、10年以上たつ今でも辛いことはあります。
亡くして感じたこと、介護期間の辛さは、少しずつ少しずつですが、周囲の方々、次の世代の方たちに何かできないか考えることへと変換しています。

現在、マロンさんは、ご知人の紹介でグリーフシェアを受けているとのことですが、素敵なご知人をお持ちですね。
そしてマロンさんは、その言葉を素直に聞き、シェアに行かれている、さらにきちんと通われているのは、私としてはとても凄いことだと思います。
参加者は安定しないとありますが、きちんとまわりの人数を数えてられている冷静さも回復されてきているのだと思います。

グリーフの過程は、目に見えるわけではないため、風邪が治るのと同じようには考えられません。
亡くした方々を思う気持ちもなくならないと私は思っています。

ただ、そのような辛い気持ちは、私たち残された家族だけではなく、亡くなったご本人も持っていて、その後悔・問題点・経験は貴重なものです。
いつの日か、その貴重なことを口に出したり、文章に書いてみたり、物で表したりなどできればいいですね。

実は、私も家族と死別直後は、Vancouverに約1年生活し、自然に癒されました。素敵な場所ですね。
West Vancouver側の海沿いの小道をひたすら歩き、カフェで一休みしたり、今の時期はホットチョコレートを飲みながらクリスマスツリーのデコレーションをずっと見ていた記憶があります。

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