近年、高齢化社会・核家族など、他の人との交流が希薄な世の中になってきたと感じませんか?
その時代に生まれた私たち。
昔とは違って、ちょっと残念なこともあるのです。
それは、自分が必要・・・誰かと話したいい・・・といった些細なことでも
気軽に話せる人が少なくなっていることです。
嬉しい・幸せなことは人に伝えることは簡単です。
しかし、悲しくどうしようもない気持ちを共有する、
他の家族、親族、近所の方、地域など疎遠のため、ネガティブな気持ちを
自分なりに乗り越える手段が見いだせないのです。
強い悲嘆や悲壮感から抜け出すことが難しい人たちが、取り残された結果、
孤独死・自殺などの最悪の状況が生じているのです。
今回は、あることをきっかけに知った、
「グリーフ・ケア」から抜け出す方法を紹介したいと思います。
ひとりでも多くの方が悲嘆・苦しみに直面している周囲の人に
目を向けるきっかけになれば・・・と願っています。
最後まで読んでいただければ幸いです。
グリーフ・グリーフケアとは?その過程は?
グリーフとは悲嘆、死別などによる深い悲しみ、苦悩、悲観をさす言葉のこと
をいいます。
その悲嘆の状態の方々に寄り添い、徐々にその苦しむ状況をケアし、
改善していくことをグリーフケアといいます。
グリーフケアを理解し、適切な方法でグリーフ状況の人を引き上げていく、
新たな一歩としてグリーフを乗り越えられるよう手助けする!という、
とても大事なケアです。
- ショック期 ;心の麻痺の段階
- 喪失期 ;切望と悲しみの段階
- 閉じこもり期;混乱と絶望の段階
- 再生 ;回復の段階
グリーフには、4つの過程があるといわれており、
最初の3つの段階を繰り返すだけで上手く抜け出せず、
最後の再生・回復期にいけない状況が・・・グリーフといわれています。
グリーフケアが必要な主な症状は?
単なる気の落ち込みとグリーフケアが必要となる悲嘆の症状の区別は、
一概ではなく難しいのが実情です。
感情的症状(悲しみ、怒り、抑うつ、無気力感、罪悪感など)、
身体的症状(睡眠障害、食欲減退、疲労感など)、
行動的症状(混乱、集中力の低下など)があらわれた時に
グリーフケアをおすすめします。
放置すると、うつ病性障害、心的外傷ストレス障害(PTSD)、不安障害などの
ような病気になる可能性もあるため注意しましょう。
グリーフケアの効果的な方法は?
では、実際にグリーフケアをしたいと思っても何をすればよいのでしょう。
実は、ポイントがあり、誰でもできる!ことがあります。
悲しむことを受け入れる(否定しない)
特に日本人は、自己表現が苦手な人が多く、
悲しみを外に出すという行為自体を否定する傾向があります。
とりわけ男性の場合は、家族・子供・同僚など
周囲を気にして悲しみの感情を強く押し殺し、
外見からは判断できないこともあります。
そこでグリーフケアをはじめる時にまず必要なことは、
この悲嘆感情は人として普通の感情であることを伝え、肯定することから行う!ことが
大事なポイントになります。
悲嘆を表現してもらう
故人について話をしたり、口に出すことが難しければ、
文字にしたり、絵をかいたり・・・
心の内を外に出す、という大事なプロセスになります。
表現することは、最初は取り組むことすらしてもらえない可能性があります。
時間をかけて、その方のペースで・・・
表現しやすい環境を整えながら、引き出していきます。
必要ならば、亡くなった方の写真や遺品などの連想しやすいものを
手元に置いておくと、スムーズに感情表現できることもあります。
儀式を利用
宗教にもよりますが、仏教などの初七日、四十九日や初盆などで、
亡くなった方を知る人が集まり、その方の話をしたり、思い出を語り合う・・・
というセレモニーも区切りとして大事です。
亡くなったという現実をを受け入れる良いきっかけになり、
心の中の整理もできると思います。
グリーフケア・アドバイザー、カウンセラーなどの専門家に相談する
第3者が介入して、専門的に取り組む方が効果的なことがあります。
また、同じような状況でなくなった身内を持つグループや団体などがあり、
同じ境遇の人と寄り添い、その経験を共有するという方法もあります。
最後に
いかがでしょうか。
皆が一度は経験し、同じように感じるグリーフ。
「その過程をいかに抜け出し、前を向いて進めるか」
ということが大事なことだと学びました。
人それぞれの症状、過程の長さがあり、自分がその方とどう接することがよいのか、
試行錯誤することでしょう。
私が感じたことは、「はっきりとした正解、これです!」
という回答はない!!!ということで、それでいいと思います。
人はどのポイントに重きを置き、どのように悩むのかは違うからです。
ただ、私でもできそうだと思ったことは・・・寄り添うことと、
話や表現し始めた時にそばにいてあげることだと思いました。
ひとりでも多くのグリーフで悩んでいる方が、グリーフケアを通して、
ポジティブに向かっていけることを心から願っています。
今回の記事はグリーフケアの症状とケアの効果的な方法の紹介でした。
こちらの記事ではグリーフケア・アドバイサーについて話しています。
グリーフという闇から抜け出す一つの方法として専門家を利用するとよいのですが、
自分が専門家になる!?ためにどうすればいいのか・・・という詳細を紹介しています。
⇒ グリーフケア・アドバイザーとは?遺族に寄り添う資格、認定講座・期間・費用は?
こちらの記事ではグリーフ、グリーフケアとは何か?その過程や症状の詳細について話しています。
⇒ グリーフケアとは何か?グリーフの過程(時期)・症状は?故人を偲ぶ周囲の悲嘆
参考になる部分も多いと思うので、ぜひ一度目を通していただけると幸いです。
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