テレビ番組「世界一受けたい授業」(毎週土曜日19時56分~20時54分)で
2018年10月27日に「シリーズ累計2500万部
『ズッコケ三人組』作者が語る世代を超えて愛される理由」
というコーナーがあります。
小学校の頃、図書室で夢中になって読んだズッコケシリーズ?!
と、ふと記憶がよみがえりました。
放送内容を見てみると、
「子どもたちが夢中になって読む秘密を公開!
お説教を書かなかった!児童文学のタブーにも挑戦」
とあります。
秘密・タブー・・・ときたら、調べないわけがない!
ということで、皆さんにも紹介したいと思います。
ちょっと納得した今回、是非最後まで読んでいただければ幸いです。
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ズッコケ三人組とは?
ズッコケ三人組シリーズの作者は、那須正幹さんです。
現代児童文学の人気シリーズで、1作目は1978年に出版されました。
三人組の舞台、ミドリ市花山町は、広島市西区己斐町がモデルとなっています。
話は明快、ユーモアたっぷり!で、テンポよく展開していきます。
物知りで勉強好きなのにテストは苦手のハカセ、
やんちゃでいたずら好きのハチベエ、
のんびり屋で優しいモーちゃん
が主人公で、毎回ひと騒動あるのが面白く、読み飽きません。
1978年ズッコケ三人組シリーズは、
2004年の50巻目にあたる「ズッコケ三人組の卒業式」シリーズ完結します。
2005年より、40歳になった「ズッコケ中年三人組」シリーズ開始、
2015年に50歳になった「ズッコケ熟年三人組」で完結しました。
登場人物の中に悪意や翳りがなく、事件も身近なこと、
そして必ず一件落着して終わることは、
読者にとって安心して読むことのできき、人気が出て、
大きな支持を受ける理由の一つだと思います。
テレビドラマ化、映画化、アニメーション化され、1987年にはファンクラブも誕生!
2000年に巌谷小波賞、「ズッコケ三人組のバック・トゥ・ザ・フューチャー」で
野間児童文芸賞を受賞しました。
大人の文学と児童文学の違いは?
まず、児童文学のタブーを説明する前に、
何が児童文学と大人の文学で異なるのか・・・
知っていますか?
大人の文学と、児童文学は根本的に違うことを理解しましょう。
大人の文学と同様に、児童文学では、死、絶望を含む人生のあらゆる事を
記述・描くことはできます。
しかし、「結末を絶望で締めくくってはいけない!」
「その物語を読んで、読者が自殺してしまうようなものを書いてはいけない!」
「児童文学は、物語の中で、絶望する主人公を肯定するのはいいが、
最後にささやかでも希望の光がなくてはならない。」
という取り決めがあります。
それが、大人の文学と児童文学の違いで、
この児童文学の意義を破る行為=タブーということです。
ズッコケ三人組の作家、那須さんが願う作品への思いは?
最終話は、現実に広島で起こった土砂災害のことで、
復興に向けた思いが盛り込まれています。
その内容は・・・
市議会議員でコンビニ店を経営するハチベエ、中学校の社会科教諭ハカセ、
インテリア会社員のモーちゃんの熟年3人が50歳を迎えました。
ハカセは新年度、市内北部の阿賀南区にある中学校に赴任しますが、
夏休みの最中に同区で土砂災害が発生します。
学校の教え子を捜して被災現場や避難所を訪ね歩きまわります。
ハチベエは議員団の視察で被災地を巡り、
モーちゃんは倒壊した家屋に家族が取り残された会社の元同僚をお見舞いする
という内容です。
作家の那須正幹さんは、
「災害の悲惨さを強調したかったわけではなく、
災害に負けずに頑張ってほしいというエールを送りたかった」と述べています。
実はこの最終話には、那須さんの父親で当時、
広島電鉄家政女学校の教師だった茂義さんの姿を重ねたようです。
広島に原爆が落ちたのは、
那須さんが3歳の頃、爆心地から西約3kmの自宅で被爆されました。
父親は2週間家に帰らず、焼け野原の中、教え子を捜し回られました。
「3人が元気で駆け回れるのは、日本が平和で民主主義の国だから」
この思いが根底にあり、訴え続けられています。
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最後に
いかがでしょうか。
大人の文学のように、人間の存在に対する厳格で批判的な文学とは違い、
子どもたちが自分の存在を肯定し、
今後将来に向かって大きな夢が描けるように応援するような文学
ということを知りました。
確かに、いつもハッピーエンド・前向きな最後を迎えられるため、
安心して読めたと記憶しています。
小さなころは、面白い本として読みながら、その話を通して、
自分たちには何が必要か、何をした方がよいか・・・
を訴えかける、なかなか、奥深い・意義があることを今回は学ぶことができました。
皆さんももし機会があれば・・・久しぶりにズッコケ三人組シリーズを
手に取って読み返してみるのもいいかもしれませんね。
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