奈良墨とは?日本の伝統工芸!錦光園の製造工程!なぜ寒い時期に墨作り?[和風総本家]

テレビ番組「二代目 和風総本家スペシャル」(毎週木曜日19時53分~21時48分)で

2019年2月7日に

「~なぜこんな時間に?真冬の早朝職人たち~」の特集があります。

 

真冬の早朝凍てつくような寒さの中、必死に働く職人たちのコーナーで

奈良の工房で真っ黒になりながら何かをこねる職人さんたちが

作っていたのは伝統の「墨」!

「錦光 奈良墨」の画像検索結果

朝3時から働く職人さんのことが気になり調べてみると、

奈良県の伝統的な墨作りをしている「錦光園」が取り上げられるようです。

そこで今回は、奈良県で作られている伝統的な炭作りのこと、

錦光園のことについて紹介したいと思います。

ぜひ最後まで読んでいただければ幸いです。

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奈良墨とは?

奈良墨は、古くは天平時代から1300年の歴史をもつ奈良を代表する伝統工芸品です。

奈良時代に興福寺で作られた墨は、南都油煙と呼ばれ、

品質の良さから全国的に有名になり、寺社を中心に作り続けられてきました。

 

墨の原料は、炭素末(すす;煤)、膠(にかわ)、香料、水からできています。

煤は、主なものに松煙・油煙があり、これらを混ぜ・捏ねて加工し、

固形の墨ができます。

「奈良墨」の画像検索結果

松脂を含む松の木を燃やして採取した松煙からつくられた松煙墨と、

菜種油やごま油などの植物性の油を燃やして採取する油煙からつくる油煙墨があり、

奈良で製造される奈良墨のほとんどは、油煙墨です。

 

現在、書道の発展と共に墨に対する多様なニーズが生まれ、

これらのニーズに応えるため、新製品の開発や品質の向上に力が注がれています。

 

錦光園とは?どのような墨作りをしているのか?

伝統を守り昔ながらの製法を守り、一つ一つの墨を手作りしています。

作っている墨は「奈良墨」と言われ、昔から愛され親しまれてきました。

「奈良墨」の画像検索結果

錦光園は江戸時代より続いている墨職人の家系です。

奈良でも由緒ある墨工房「古梅園」の職長を務めていた、

4代目の長野亀吉さんが、

明治初頭に独立・創業し、今の錦光園が誕生したそうです。

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錦光園では現在、6代目の長野墨延さん、7代目の長野睦さんが、

墨作りの伝統を守り、昔ながらの製法のまま、

一つ一つ手作りで「奈良墨」を作られています。

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墨作りの工程は?

油煙墨の製法工程を見てみましょう。

採煙

膠の溶解・原料の撹拌

木型・型入れ

灰乾燥

自然乾燥

磨き

彩色

このような工程があります。

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採煙(土器の蓋に付着した煤(すす)を取る)

・・・菜種油や胡麻油などを「かわらげ」と呼ばれる土器に入れ、灯芯を差して火を灯し、上から覆っている土器の蓋に付着した煤(すす)を取ります。

膠の溶解・原料の撹拌

・・・水と膠などを入れて約4時間程かき混ぜながら湯煎し、膠の溶液を作ります。動物性の膠を一定の温度で均等に溶かすため、沸騰した湯の中で「タンポ」と呼ばれる釜の中に一定の水と膠などを入れ、約4時間程かき混ぜながら湯煎し、膠の溶液を作ります。
その後、煤と香料と膠の溶液を入れて撹拌し、ローラーにかけて充分に練り合わせます。更に足で踏みこみ、手揉みも行いながら生墨を作ります。

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木型・型入れ(文字や図柄が彫られた梨の木製の木型に入れる)

・・・墨の一丁型の製品の目方は約15g(4匁)ですが、木型に入れる時、生墨に水分が含まれているため、約26gが入れられるように大きめに作られています。この工程では、、生墨を定められた大きさに計量し木型に入れます。この際、生墨の中に空気が入らないよう十二分に練ることが大切です。

灰乾燥

・・・木型から取り出した生墨は水分を吸収させるため、新聞紙と新聞紙の間にはさみ、やや水分を含んだ木灰に埋め、以降は少しずつ乾いた木灰に埋め変えていきます。この灰乾燥は小型で1週間、大型で3~5週間程度続け乾燥させます。なぜすぐに乾燥させないか・・・というと、一気に自然乾燥させるとひび割れが生じるためで、少しずつ水分を乾燥させることが大切です。約6~7割の水分が除かれると灰乾燥は終わりです。

自然乾燥

・・・小型で3か月以上、大型で6か月程自然乾燥させます。

磨き(上薬を塗り、木炭の火で炙ってから蛤の貝殻で磨く)

・・・自然乾燥を終えた墨は、表面に付着している灰やその他の不純物を取り除くため、水洗いします。その後、上薬を塗り、木炭の火で炙ってから蛤の貝殻でよく磨きます。

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彩色(金粉・銀粉、その他顔料を使用し図柄や文字に彩色を施す)

・・・磨かれた墨は水洗いの際に含まれた水分を取り除くために3日~1週間程度、井型に組み、空気乾燥させます。その後、金粉、銀粉、その他顔料を使用し図柄や文字に1丁ずつ彩色していきます。

完成です!

 

なぜ寒い時期にしか墨作りをしないのか?

実は、墨作りは冬に行われます。

その理由は・・・

墨の成分の一つである「膠」です。

温かい時期は、この膠が腐る

という理由で、墨の製造は、暑い時期を避けた10月頃~5月頃に作られます。

さらに、特に極上の物ができるといわれるのは、最も寒い2月頃です。

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最後に

いかがでしょうか。

 

昔から生活必需品として、教養を深めるため、芸術として、

様々なことに使用されている墨。

日本の伝統工芸の一つであり、職人さんが今でも活躍されていると嬉しいです。

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実は、錦光園ではこの伝統的な墨の製造を見学したり、

工房内で「にぎり墨体験」を実施しているそうです。

買って墨を楽しむの良いと思いますが、

もし機会があればこのような貴重な体験に参加してみるのもいいのかもしれませんね。


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