皆さんは、海女(あま)さんのことを知っていますか?
私は海に潜る女性ということは知っていましたが、実は男性もいるそうですね。
自分の常識のなさを反省し、改めて調べてみました。
すると、興味深い「印(しるし)=マーク」が!
実は、このマークはとても大事な役目をしていることを知りました。
三重県の伊勢志摩で海女漁業をしている海女さんが
身に着けるこのマークのことを今回は紹介したいと思います。
是非最後まで読んでいただければ幸いです。
海女さんとは?
海人(あま)さんとは、海に潜って貝や海藻を採取する漁を
専門的にあるいは兼業として仕事とする人のことを指します。
古くは、漁師全般を指していたそうです。
男性の海人を「海士」、女性の海人を「海女」と区別して記されることもありますが、
いずれも「あま」と読むそうです。
海女さんが身に着けるマークの意味は?
「ドーマン・セーマン」 とは、「セーマン・ドーマン」とも呼ばれます。
これは、海女さんたちが身に着けているお守りです。
「トモカヅキ」から身を守るために用いる魔除けのマークのことを指します。
頭に巻く手ぬぐいにこのマークを刺繍したり、
アワビを採るための道具にマークを彫刻したりします。
では、その名前の由来は・・・
陰陽師(おんみょうじ)から来ているといわれています。
セーマンは「安部清明」、
ドーマンはそのライバルと言われる「蘆屋道満」
からだそうです。
2人とも平安時代の陰陽師で、各地に2人にちなんだ伝説が残されているそうです。
海女さんが嫌う「トモカヅキ」とは?
海女さんが忌み嫌う「トモカヅキ」とは何のことでしょうか?
それは・・・
海女と同じ格好をした亡霊・妖怪のようなものをいいます。
一人で潜っているはずなのに、自分のそばで同じように作業をしている
他の海女がいるそうです。
その海女がニヤリと笑いかけたり、アワビをあげようと誘う行動をとったり、
その誘いに乗ってアワビをもらったり、一緒に深い場所に行くと、
そのまま命を取られる・・・といわれています。
海女さんたちは、
このドーマン・セーマンのマークを身に着けているのに対し、
妖怪・トモカヅキはマークを持ちません。
そのため、実在の人間か亡霊かを「見極める印=マーク」として
海女さんの間で身につけられているのです。
なぜ、ドーマン・セーマンのマークは、星と格子の組み合わせ?
星の形は、一筆書きで書くことができ、
「元の位置に戻り」「始めも終わりもない」ことから
「魔物の入り込む余地がない」と言われています!
海女さんの口伝えによると、「無事に戻られるように」と、
祈りを込めた!ともいわれているそうです。
星の形は、安倍晴明判紋(晴明桔梗印)でもあり、
陰陽道において「五芒星は魔除けの呪符」とされています。
格子の形は、多くの仕切り目で「魔物を見張る」といわれています。
仕切りが多すぎて、「入り口がわからない = 悪霊が入りにくい」と言われ、
混乱している間にトモカヅキから逃げられる!と信じられているそうです。
また、陰陽道において格子の印は、横5本、縦4本の線により構成されます。
これは、九字紋といわれ、
魔除けの際にとなえられる言葉、
「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・前・ 行」の九文字が
由来ともいわれています。
最後に
いかがでしょうか。
海女さんのこと、身に着けているマークのことが気になり調べていくうちに、
古くから親しまれる「陰陽道」にまでたどり着くとは、
全く予想していませんでした。
色々な説があるのでしょうが、
今でも廃れることなく受け継がれてきているこの伝統は、
もしかするとこの陰陽道のおかげかもしれませんね。
今後も海女さんたちが、海で元気に漁をし、
子供たちに伝統を伝えていってくれることを・・・心より応援しています。
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