神奈川県湘南海岸沖で獲れる「湘南はまぐり」を知っていますか?
大きく育った、手の平サイズの巨大ハマグリがあると聞き、
気になり調べてみました。
お祝いの席などで出されるハマグリのこと、湘南はまぐりのことについて
今回は紹介したいと思います。
ぜひ最後まで読んでいただければ幸いです。
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ハマグリ/はまぐりとは?
ハマグリとは、英語名Japanese hard clam, Common orient clam, White clamで、
学名Meretrix lusoriaです。
分類は、軟体動物門二枚貝綱異歯亜綱マルスダレガイ科ハマグリ亜科ハマグリ属に
分類される二枚貝の1種です。
日本では、「蛤」「浜栗」とも記述され、
海岸・浜にある栗に似たものということから「浜栗」という名前がついた
という説があります。
殻長8cm前後、よく成長したものでは殻長が10cm以上になるハマグリは、
二枚貝の一種です。
丸みを帯びた三角形をしています。
殻頂付近の膨らみが強く、後縁は大きくなるに従い直線的になります。
殻の光沢の有無、斑紋、殻の形によって呼び名が変わり、
大まかに見分けることができます。
光沢があり、斑紋が多様で、殻の後端(水管が出る方)がやや伸びるのがハマグリ、
光沢乏しく、くすんだ灰色の地に胡麻斑が多く出て、
殻の両端の伸び具合がほぼ同様ものがシナハマグリです。
貝殻の白いものは耳白貝、栗色は油貝、
様々な文様の出ているものを文蛤(アヤハマグリ)と呼びます。
本来の分布域は、九州から東北地方以南の地域と朝鮮半島の一部で、
淡水の影響のある内湾の砂泥底に生息しているハマグリ。
内湾性の淡水の流入するところで、
干潟から水深12m前後の深さの所に生息しています。
産卵期は5月から10月。
孵化した卵は、ベリジャー幼生というプランクトン期を経て稚貝になります。
水管根元分の粘液線から多量の粘液を出し、これ1m~3mの紐状になります。
潮流(潮の流れや、波など)を受けて海底上30㎝~1.5mまで浮き上がり、
移動することができます。
珪藻類、有機物などを漉し取って食べます。
日本人は、ハマグリを食用だけではなく「貝合」などの玩具に、
俳句、絵画、物語など、季節のものとして、身近なものとして扱ってきました。
殻のかみ合わせは、対になっているもの以外は合わないため
夫婦和合の徴(しるし)とされ、結婚の祝い事に使われます。
実は、日本では1980年代以降の干拓や埋め立て、海岸の護岸工事などにより
生息地の浅海域が破壊されたため、昭和後期に急激に減少しました。
瀬戸内海西部の周防灘の一部、有明海の一部などの局地的な生息地を除く
ほとんどの産地で絶滅状態になりました。
ハマグリは、栄養成分としてコハク酸を多く含み、旨みに富んでいます。
ビタミンB1を分解する酵素のアノイリナーゼを含むため、
生食には向かず、加熱調理をして食べます。
酒蒸し、焼き蛤、お吸い物、クラムチャウダー、鍋物の具、佃煮、土瓶蒸し、
串焼き、寿司、パエリヤ、炊き込みご飯など、
和洋中華料理に幅広く利用され食べられています。
湘南はまぐりの特徴は?
巨大なハマグリで身入りがよく肉厚であること
旨味が強いこと
ハマグリは、海水を濾してプランクトンを食べて成長します。
相模湾、湘南沖では、中央に相模川、江の島の近くに境川と引地川があり、
プランクトンの餌となる栄養塩が川から海に流れ込むため、
ハマグリの餌となるプランクトンが非常に豊富です。
このことで、栄養満点なハマグリが大きく成長しています。
また、ハマグリが取れる漁場は、大都市圏のため、輸送時間がかからず、
新鮮な美味しいハマグリを楽しめるといわれています。
なぜ湘南沖でハマグリが取れるのか?
特に2年以下の小さいハマグリの稚貝時が、海底環境、砂質が
大きく将来に影響するといわれています。
それは、細かい砂でないと、稚貝が砂に潜ることができないためです。
急深な相模湾の中でも海底勾配が比較的なだらかなこと
湘南沖は、比較的細かい粒の砂が溜まりやすいこと
江の島につづく橋の下の浅瀬が堰き止めとなり、自然と良質な砂が溜まりやすいこと
江の島につづく浅瀬でベリジャー幼生というプランクトン期を過ごすため、浮遊していても流されず、湘南沖に留まりやすいこと
これらのことより、この湘南沖で大きく育った良質なハマグリが成長します。
湘南海岸で行われているはまぐり漁は、「貝桁曳き網漁」。
貝桁曳き網漁は、長い歯のついた漁具で
水深3~5m付近の海底の砂の中にいるハマグリを
掘り起こしながら、網で取り込んでいきます。
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最後に
いかがでしょうか。
春を迎えるとハマグリを見かける機会が増え、もう春が来たか・・・
と気づくきっかけのハマグリ。
確かに生食では見かけたことがないのは、理由があったのを知り、
改めて勉強になりました。
上品な味でお祝いの席でお吸い物としてしか食べたことがないため、
他の料理でも楽しんでみたいと思いました。
焼き蛤として、この夏のBBQに登場することになりそうですね。
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