こんにちは。
初夏や秋ごろに見かける、紬を着た粋で風雅な女性。
気品があり、そろえられた小物たちと共に歩かれている姿はとてもオシャレ。
着物のような派手さはありませんが、落ち着いており、
大人の女性の魅力が漂っていますね。
さて、鹿児島県の奄美大島に昔からある大島紬を知っていますか?
私は名前を聞いたことはあったのですが、実際にどんなもの?と聞かれると・・・
知らないことが多く、今回気になって調べてみました。
もしかすると、皆さんも一度は耳にしたことがあるかもしれない・・・泥染め。
そう、この大島紬の染色方法です。
そこで、今回は、その大島紬の染色・織る際の技法の特徴や染色の種類に
ついて紹介したいと思います。
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大島紬の技法の特徴は?
大島紬の特徴は、「泥染め」と「締機」です。
大島紬は、島で自生するテーチ木(車輪梅)を煮出した液で糸を染め、
鉄分の多い泥に何度も繰り返して浸し、揉み込み、染めていく手の込んだものです。
この泥染めは、艶やかな黒の他に、濃茶色や藍色にも用いられます。
また、絣柄(かすりがら)は、手で糸を括らずに
専用の織機(締機)を使って、絣糸を作ります。
その方法は、木綿糸の経糸(たていと)を張り、
絹糸の緯糸を通して堅く締めながら織りあげていきます。
織りあがった物を「絣莚(かすりむしろ)」といいます。
経糸の木綿糸の上糸・下糸が、緯糸の絹糸を締め付け、絣莚のまま染めると、
締められた部分が防染され、白く染め残ります。
染め上がった絹糸を締機にかけて、2寸(7㎝)ほど織り、針で柄合わせをし、
それを繰り返しながら織り進めていくという、途方もない手の込んだ行程を行います。
木綿糸が絣括りの糸の役目を果たすわけですが、
高機より大きい締機で絣糸を括るのは、かなり強く打ち込む必要があるため、
締機作業は男性が!受け持つことが多いそうです。
大島紬の染色の種類は?
精緻な絣柄と泥染めで知られた大島紬ですが、現在は様々な種類があります。
泥大島・・・泥染めを施したもの
泥藍大島・・・藍染を加えたもの
草木染め大島・・・植物染めの糸で織られたもの
色大島・・・化学染料の多彩な色を用いたもの
白大島・・・春先や単衣ものとして着用され、白泥で染めた糸で織られたもの
夏大島・・・薄くて細い糸で織られたもの
などがあります。
因みに、染め方として泥大島を例に挙げると・・・
絣莚をテーチ木(車輪梅)の煮汁で約20回染め、
専用の鉄分を多く含んだ泥田に繰り返し浸して、糸に色づくよう、揉み込んでいきます。
この工程を数回繰り返すことによって、テーチ木のタンニン酸と泥の鉄分が化合し、
渋く艶やかな地色が染まるのだそうです。
また、白大島の色だしには、陶芸に使われる白土(カオリン)が使われているそうです。
白土を水に溶かし、不純物や鉄分を沈殿させたアルミ質が残っている水で
糸を繰り返して染めているそうです。
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最後に
いかがでしょうか。
普段着として昔から親しまれてきた大島紬。
しかし、その製作する際に行われる工程は、途方もなく、時間と手間暇がかかり、
とても貴重な一品ということが分かったと思います。
普段着のため、正装が必要な場所では着用することは差し控える必要がありますが、
粋なオシャレを楽しむ人にとっては、人とは違う素敵な楽しみが広がりますね。
もしも機会があるならば・・・是非一度、着て街歩きを楽しみたいものです。
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