皆さんは海人(あま)さんについて知っていますか?
私が知っているのは、海に潜って漁をする人。
どのような歴史、どのようなもの、どこで・いつ活躍するのか・・・
全く知りませんでした。
今回あるきっかけで知った海女さんについて、調べたため紹介したいと思います。
実は、世界中にみても、日本と韓国にしか存在しない珍しい職業の海人さんたち。
是非最後まで読んでいただければ幸いです。
海人とは?
海人(あま)さんとは、海に潜って海藻や貝類を採集する漁を
専門にあるいは兼業として仕事をする人のことを指します。
古くは、漁師のことを一般的に指していたそうです。
男性の海人を「海士」、女性の海人を「海女」と区別して記されることもありますが、
いずれも「あま」と読みます。
海人はいつからある職業?
最古の記録は「魏志倭人伝」にあり、歴史は3000年以上!と言われています。
その中では、「海中へと潜り、好んで魚や鮑(あわび)を捕る」と記載があります。
「万葉集」では、
「讃岐国、伊勢国、肥前国、筑紫国、志摩国などで潜水を行う海人」
の記述があります。
九州の一部などでは白水郎と記されていおり、
中国・四国地方より東では潜水する海人を「海人」と呼び、
九州地方では「白水郎」と呼んでいたようです。
能登国や佐渡国の海士や海女は、もともと筑紫国の宗像地域から対馬海流に乗り、
移動して漁をしていた!という伝承が残っており、
痕跡として日本海側には宗像神社が点在すると言われています。
福岡県の鐘崎 (宗像市)には「海女発祥の地」とする碑があります。
海人さんの漁の方法は?
大きく分けて、3種類あります。
夫婦海女
地方によっては、男女海女(ととかかあま)ともいわれます。
文字通り、夫婦で漁を行うことをいいます。
夫が命綱を担当し、妻が潜水を行います。
妻が潜水する際、分銅と呼ばれる「重し」の付いた綱を持ち、
その落下と共に潜って漁を行います。
反対に、上がる際には、この綱を夫が引き上げるそうです。
自力で潜水・浮上する場合と比較して、短時間で多くの潜水回数をこなしたり、
深い場所に潜ることができるという利点があります。
舟人海女
舟人(ふなど)海女は、それぞれの海女が磯桶を持ち、
舟を使って集団で漁場に赴きます。
漁場までの距離が長い場合などに行われる漁です。
徒人海女
徒人(かちど)海女は、舟人海女と同じで、磯桶を各々が持ち漁場に赴きます。
船は使いません。
海人さんの乗船する船は木造?
一般的には小型の木造船だそうです。
通常の小型船舶は、プラスチック船が主流になりつつありますが、
海女さんたちが使用する船は、体を温めるために専用の囲炉裏(いろり)が必要で
プラスチック船では設置が難しいため、海女船は今でも木造船が多いそうです。
海女小屋とは?
海女小屋は、漁師の番屋のようなもので、「かまど」と呼ばれます。
漁の前・後に、体を温め、着替え、休息や食事をするための小屋です。
名前の通り、簡易な囲炉裏や、暖を取る設備が必ず設置されてあり、
「○○かまど」という名前で、
観光客向けの併設した飲食施設を指すこともあるそうです。
最後に
いかがでしょうか。
日本全国と韓国の済州島にしかいない、世界でも珍しい海人・海女さん。
素潜りでより深い場所へ、
アワビや貝類などの食材を求めて日々努力を重ねられています。
はっきり言えば、海女さんでなくてもアワビ、貝類、海藻は取れます。
というのは、今は技術革新で何でも思うように取り放題だからです。
しかし、取ることは簡単ですが・・・
その魚介類が育ち、人と共に共生していく昔のようなスタイルは
だんだん消えつつあります。
それは、環境問題や乱獲などで、
海を取り巻く環境が大きく変化してきているからです。
実はこの海女さんたちは、わざと・・・ウエットスーツを着なかったり、
わざと・・・このような昔ながらのスタイルを貫いているそうです。
また、稚貝などの放流をし、厳格な規制を敷いて漁獲量を一定に保ちつづけています。
それは一重に、自然環境・乱獲を抑え、昔のように魚介類が豊富な海を目指すため。
私たちは海女さんになることは難しいですが、
海女さんだけではなく、私たちの!海を守っていくためにも、
そして美味しい魚介類をずっと食べ続けていくためにも・・・
まずは、自分の身近な環境問題で何ができるかを考えるのもいいかもしれませんね。
今回の記事は海人さんについて、漁の方法、船についての紹介でしたが、
こちらの記事では、
海女とは?魔除けのお守り「ドーマン・セーマン」について話しています。
⇒ 海女さんとは?「ドーマン・セーマン」志摩・海女が身に着ける印マーク、陰陽道と関係?
参考になる部分も多いと思うので、ぜひ一度目を通していただけると幸いです。
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