2018年、FNS27時間テレビで「免許皆伝」のコーナーがあります。
古来より日本で受け継がれ続けている
「技・術・芸」に芸能人の方が本気で挑む番組です。
そこで、A.B.C-Z 塚田僚一さんが挑戦するのは・・・
三陸・気仙沼で行われている「突きん棒漁」です!
はじめて聞く名前。
突く、棒、漁・・・ということは?
と思い、どういうことか調べてみました。
実は結構、激しい、危険な漁だったので驚きました。
そこで今回は、この「突きん棒漁」を紹介したいと思います。
突きん棒漁とは?
古くから世界で続くといわれる、伝統漁法「突きん棒漁(つきんぼりょう)」。
船上から銛(もり)を投げ、
マグロ・カジキなどの表層性大型魚類を漁獲する漁業のことをさします。
日本では江戸時代からカジキを対象として行われ、
「カジキ突きん棒漁」と言われていました。
現在、主に狙う魚は、メカジキとマカジキだそうです。
遊泳力の強い魚を狙うため、高速が出る操縦性能の良い漁船が必要になります。
また、その漁船は特徴的で、
船首には銛手の立つ突き台と中央に高い見張り台を備えており、
独特の船だそうです。
また、乗り手は2人一組。
漁船の先に立ち、突きん棒を構える「突き手」と
見張り台の高みから魚影を探し、
突き手が射やすいように舵を操る「舵取り」役です。
この2人の息の合ったコンビこそが、突きん棒漁の成果を決める!といわれています。
突きん棒漁の方法とは?
海の中で、鳥山(とりやま)をさがします。
そして、そこで豪快に魚をむさぼって食べている、
跳ねたカジキを探すのだそうです。
波間にカジキの尾ビレを見つけると・・・
生き餌を投げ入れ、カジキが食いついた一瞬の隙をついて!
「銛を打つ」のです。
その銛先が、カジキの体に当たって股金から抜け、肌に食い込みます。
その後、カジキは全力で逃げようとします!
船は全速力でそのカジキを追いかけ始めます。
魚と人間の持久戦です。
泳ぎ疲れたところを銛先につなげた縄を手繰りで寄せていき、
最終的に引き上げます。
因みに、メカジキなど大型の魚の場合は、銛先に電気を通し、
電気ショックを与えて仮死状態にしてから、引き上げます。
やはり、安全第一でしょう。
船の舳から数メートル突き出した突き台に立ち、
5・6メートルもの長銛を巧妙に操って行う、ちょっと豪快な漁ですね。
ただ、仕留めた大物は、大きく圧巻。
一度体験するとやめられないほど感動する!とか。
写真を見るだけでも、興奮しますね。
三陸、気仙沼の漁師・家族の未来に対する思いは?
漁師の仕事は、実に過酷なものだそうです。
出港すると、近海船では1か月、遠洋船では1年あまり、
洋上で過ごさなければいけない!と。
荒天で大きく船が揺れたり、波をかぶったりすることもあるでしょう。
また、日が照り付け、逃げ場もないでしょう。
さらに、いざメカジキを見つけ、仕留めようとしますが・・・
大型の魚を相手に突き台に立ち、かつ不安定な足場から銛を打つのは・・・
危険極まりない状況だと思います。
そのため、いざ漁船が出航!となる時は、
家族をはじめ多くの関係者が手を振って見送るのだそうです。
もちろん、帰ってくる船を見守ることも大事ですが、
出船を見送る気仙沼の人たちは、
「航海の安全と大漁を祈りながら、腕がちぎれんばかりに手を振る」
ことを毎回しています。
また近年では、漁師の高齢化と後継者不足が問題となっています。
港の活気を取り戻すために!
実は、これまで関係者のみで行っていた「出船送り」に、
一般の人も見学・参加できるようになりました!
是非近くに行った際は、その貴重な体験を!
過酷な漁に出かける漁師さんの安全祈願を!
皆さんと共にお祈りしたいものです。
最後に
いかがでしょうか。
今回は、突きん棒漁という、聞きなれない言葉をきっかけに
カジキ漁のことについて紹介しました。
荒れ狂う魚・コントロールできない自然との戦い。
私は想像しかできませんが、
筆舌尽くしがたい努力・運・体力と闘っている漁師さんたち。
あらためて「尊敬」と
今後も変わらず伝統漁法を守っていってほしいという「期待」で一杯です。
次回は、カジキの種類と気仙沼で行われている他の漁法について紹介したいと思います。
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